I.恒星内部におけるニュートリノ過程の研究 (1)以前から行っていた上記の研究が完結し、Astrophysical Journalに論文が掲載された。この研究によって、プラズマニュートリノ過程における軸性ベクトル流の寄与はベクトル流の寄与の1万分の1の程度であることが導かれ、プラズマニュートリノ過程においてはベクトル流の寄与のみを考慮すれば十分であることが証明された。 (2)最近10年以上にわたって当研究室において研究してきた諸ニュートリノ過程の総合的評価を行い、Astrophysical Journal Supplementに論文を投稿した。本論文はニュートリノ諸過程の研究を集大成したもので、大量の図表を含み、この分野の研究者の将来の研究に大きく資することを目的としている。 II.太陽ニュートリノ物理の研究 本研究では「ニュートリノ-原子核散乱」の散乱断面積の総合的研究を行った。ニュートリノとしては、太陽ニュートリノおよび超新星爆発によるニュートリノを取り扱い、太陽ニュートリノ問題の解決に重要であると考えられている幾つかの原子核に対する散乱断面積の計算をレビューした。特に、重陽子、^<12>C、^<16>Oおよび^<37>Clなどの原子核による散乱断面積の計算を行った。この結果はInternational Journal of Modern Physics Eに発表された。
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