今年度は、超対称粒子の反応過程に対する自動計算化のアルゴリズムが明らかになり、更に具体的な反応過程の生成が可能になった。ここでマヨラナ粒子の取り扱い方に加えて、更に弱ボソンに対する超対称粒子が関与する相互作用の中に標準理論には無い新たなタイプの相互作用が現れるので、これらも含めた一般的なアルゴリズムへと拡張を行った。このシステムを用いて、中間状態の数が比較的多い例として、終状態に三つの粒子が生成される反応過程について、具体的な計算を行うことによりシステムのチェックを行った。この成果については、ロシアのZvenigorodで行われた国際会議「Xth International Workshop on High Energy Physics & Quantum Field Theory」で発表を行った。 また、始状態の陽子内にあるパートンに対する量子色力学の効果を取り入れてシミュレーションを行うことのできるプログラムの基本的な部分が完成した。このプログラムを使って、いくつかの場合について具体的なシミュレーションを行い、陽子内のパートン分布のスケーリング則の破れが精度良く再現されることを確かめた。この成果については現在論文を投稿中である。
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