平成7年度は、平成6年度に引き続き3核子系への応用として「ヘリウム(^3He)におけるパイ中間子光生成」の研究を行なった。本年度、具体的に行なったことは、以下の通りである。 (1)3核子系でのパイ中間子光生成振幅と断面積の表式の導出とそのチェック。これは平成6年度中に導いたものであるが、再度チェックを行なった。 (2)本研究で必要なヘリウム原子核の波動関数の導出とそのプログラミング。本研究にはヘリウム原子核中での核子およびデルテ粒子の波動関数が必要であるが、最も簡単なGauss型を仮定した波動関数を計算しプログラムを作成した。本研究では、デルタ粒子の寄与の大きさのオーダーを評価することが目的であり、第1次近似として適当であると考えられる。 (3)核子およびデルタ粒子のスペクトラルの関数の導出およびそのプログラミング。本研究でも最も重要なスペクトラル関数の数値計算の為のプメグラミングを行なった。 (4)(1)-(3)で導出した表式およびプログラミングを用いて、「ヘリウムにおけるパイ中間子光(電子)生成断面積」の数値計算の為のヌログラミングを行なった。 上記のプログラムを用いて、幾つかのキネマティックスにおいて「ヘリムにおけるパイ中間子光(電子)生成断面積」を計算した。特に、この生成断面積が核内のデルタ粒子の存在確率にどの程度センシティブかを評価した。詳細は、「科学研究費助成金研究成果報告書」にゆずる。
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