研究概要 |
本年度は昨年度にひき続きB中間子の物理でどのように超対称性を探るかについての研究を行なった。昨年度は主にb→Sα過程からの超動模型に対する制限を求めたが今年度はBB^0混合、K系でのCPの破れのパラメータE_K,及びb→Sl^+l^-過程について解析を行なった。 BB^0混合及びE_Kに関しては超対称粒子の効果で標準模型に比べて10〜20%程度大きくなることがあることがわかった。これはBファクトリー実験により小林益川行列のパラメータが良く決まった場合超対称模型に対する制限になる。 またb→Sl^+l^-に対する超対称粒子の効果を超重力理論の範囲内で計算した。特にスカラートップ粒子が比較的軽い(≦200GeV)場合には標準模型と比較した場合、b→Sγはあまり変わらなくても、b→Sl^+l^-の分岐比が20〜60%ぐらい増加することがあり得ることを示した。これは、Bファクトリーでb→Sl^+l^-モードを測定することがb→Sγとは独立な重要性を持っていることを意味している。
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