研究課題/領域番号 |
06640428
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須藤 彰三 東北大学, 理学部, 助教授 (40171277)
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研究分担者 |
坂本 一之 東北大学, 理学部, 助手 (70261542)
内田 和喜男 東北大学, 理学部, 教授 (50005790)
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キーワード | 表面プラズモン / 銀単結晶 / 高分解能電子エネルギー損失分光 |
研究概要 |
平成6年度は、申請書に記載した研究目的・研究実施計画の通り次の成果を得た。 1.現有の反射型高分解能電子エネルギー損失分光器(HREELS)の電源を改良し、電子の入射エネルギーが0から20eVの範囲の可変だったものを、0から100eVの範囲で可変にした。さらに、損失エネルギーの観測範囲も、0から1eVを1から20eVに走査範囲を広げ、3.69eVにある表面プラズモンの測定を可能にした。 2.銀単結晶は、表面をアルゴンイオン・スパッタリングとアニーリングで作るために欠陥が多い。そこで、初めに表面の影響を調べるために表面のなめらかな蒸着膜の表面プラズモンのエネルギーとその分散測定を行った。このとき、本申請のターボ分子ポンプを用いて新しく試料蒸着槽を制作した。この実験から、銀の蒸着膜の表面プラズモンのエネルギーとその分散は、以前報告したAg(111)表面のエネルギー分散曲線 tw=3.69+4.17q_<11>^2(eV,q_<11>^<in>Å^<-1>を再現した(Phys.Rev.Lett.63(1989)2590)。この結果から、銀単結晶(111)表面「110」方向と蒸着膜の表面プラズモンのエネルギー分散は、同じ二次曲線になることが明らかになった。 3.平成7年度は、計画通り、1989年に用いた銀単結晶(110)、(111)表面を用いて、表面プラズモンのエネルギーとその分散を入射エネルギーを変えて測定し、ジュリウム模型を用いた密度汎関数法(LDA)理論計算との比較検討を行い、表面の誘起電荷に関する知見を得る。
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