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1995 年度 実績報告書

ダイアモンド薄膜成長における水素効果の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640430
研究機関筑波大学

研究代表者

岡崎 誠  筑波大学, 物質工学系, 教授 (80010792)

研究分担者 藤田 光孝  筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40192728)
キーワードダイヤモンド成長 / 水素終端表面 / 第一原理計算
研究概要

ダイヤモンドの化学蒸着法による成長が可能となった原因として、表面終端水素原紙がサーファクタント的な働きをすることが提唱されている。われわれは、水素終端したダイヤモンドの(100)表面のダイマー中心上方から、炭素原子を準静的に近づけたときの構造最適化を、第一原理計算によって行った。
その結果、吸着が起ると同時に、終端水素原子が表面から自発的に離れ吸着炭素上に移動することをみつけた。この過程は、表面を終端する水素原子を、エネルギーバリヤなしに炭素原子に置換することが可能なことを示しており、水素原子にサーファクタクト的な働きがあることを理論的にはじめて明かにした。
次にこの現象を分子結合の立場で理解するためにシリコンについて同様な計算を行った。シリコン原子を水素で終端したシリコン表面に吸着させた場合には、水素原子が表面から離れていくことは起こらず、ダイヤモンドと対照的であることが分った。
ダイヤモンドとシリコンの結果の違いから、ダイヤモンド表面での終端水素原子の脱離の原因を、炭素原子のSP^3結合状態がグラファイト的なSP^2状態になろうとすること、炭素原子とシリコン原子の電気陰性度の、水素原子に対する大小関係が逆であることとした。
上記の内容は、アメリカ物理学会刊行のPhys.Rev.Lett.75(1995)4226-4229に発表された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Ogitsu et al.: "Theoretical Study of Bond Exchange Mechanism during CVD Growth of Diamond" Advances in New Diamond Sci. and Tech.473-476 (1994)

  • [文献書誌] T.Ogitsu et al.: "Ab-initio Study of the Elementary Process of Epitaxial Diamond Growth" Proc. 22nd Intern. Conf. on Phys. Semicon.537-540 (1994)

  • [文献書誌] T.Ogitsu et al.: "Role of Hydrogen in C and Si(001) Homoepitaxy" Phys. Rev. Lett.75. 4226-4229 (1995)

  • [文献書誌] 藤田光孝、岡崎誠 他: "水素を仲介としたダイヤモンドの結晶成長素過程に関する第一原理的研究" 表面科学. 15. 33-36 (1994)

  • [文献書誌] M. Fujita et al.: "Ab-initio Molecular Orbital Calculation for C_<70> and Seven Isomers of C_<80>" Phys. Rev. B. 49. 11415-11420 (1994)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "Polymorphism of Carbon Forms: Polyhedral Morphology and Electronic Structures" Phys.Rev.51. 13778-13780 (1995)

  • [文献書誌] 岡崎 誠: "物質の量子力学" 岩波書店, 252 (1995)

  • [文献書誌] 岡崎 誠: "物理に役立つ複素数" 丸善, 128 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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