本年度は本研究-強磁場下における2次元電子系の発光の理論的研究-の最終年度である。まとめの年でもあり昨年度から続く問題の解決と将来の課題の整理を行った。次の2項目にまとめることができる。 1.電子間多体効果のうち遮蔽交換効果とクーロン・ホール効果項の相殺のために基底電子状態への効果は小さい。一方、光励起ホールへの多体効果は顕著な磁場依存性を示し、磁気振動位相の方向を決定する。 2.非対称量子井戸での磁気振動の計算に加え、2重量子井戸構造での磁気振動構造の計算を試みた。 当初計画した分数量子ホール効果領域のルミネッセンス特異な振る舞いの解釈は難しく将来の課題として残る。
|