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1995 年度 実績報告書

ペンデルビート法による吸収端近傍の異常散乱因子の精密測定

研究課題

研究課題/領域番号 06640454
研究機関埼玉工業大学

研究代表者

吉沢 正美  埼玉工業大学, 工学部, 研究員 (70166932)

研究分担者 江原 健治  埼玉工業大学, 工学部, 講師 (90102897)
根岸 利一郎  埼玉工業大学, 工学部, 研究員 (70237808)
深町 共栄  埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20092314)
キーワードX線共鳴散乱 / ペンデルビート / 異常散乱因子 / 吸収端 / 原子散乱因子 / 完全結晶 / 動力学理論 / GaAs
研究概要

結晶内原子の異常散乱因子は、吸収端近傍でXANESやEXAFSが現れるように、固体の結合効果の影響から自由原子モデルの理論計算とは異なる。そして、その相違は、実験上の困難さから、現在のところ明確な実験データが不足している。当研究の目的は、Si, Ge, GaAs, GaSb, Inp, InSbなどの半導体結晶やCuのひげ結晶を用いて吸収端近傍のX線共鳴散乱によるペンデルビート(PBXRS)の測定から異常散乱因子を求め、理論計算と比較、検討することである。
平成7年度は、昨年度に行った理論的検討、実験装置の整備、試料作成及び予備実験に基づいて、主実験及びデータ解析を行った。主実験は、KEK-PFのシンクロトロン放射光とBL-6C1ステーションに設置してあるSSD付き汎用4円回折計及び昨年度に作製した微小回転機構と計測システムを使用して行った。試料は、EPDが500個cm^<-2>以下のGaAsで、厚さを209.0、219.8、224.2、232.2、234.0μmの平行平板状に加工したものを使用した。実験は、Ga K吸収端近傍を0.42eVステップで200反射のPBXRSを測定し、昨年度に検討したプロファイルフィッテイング法でデータ解析を行った。その結果、当研究で求めたGaの異常散乱因子の実数部f'_<Ga>は、Parratt & HempsteadやCromer & Libermanの方法による理論計算値に比べて吸収端から-50eVで2〜6%小さく、-5eVで9〜13%小さくなることが分かった。また、昨年度の予備実験でGe844反射においてf^0+f'=0つまり原子散乱因子の虚数部のみによる回折であることが分かったが、GaAsを用いれば、こればかりではなくf"=0つまり実数部のみの回折条件も作ることができる。そして、これらは、結晶構造解析の位相決定への応用や従来の動力学理論では考察できない現象の解析に応用できるものと思われる。これらについては、さらに研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 吉沢,正美: "ペンデルビートによる異常分散の研究" 埼玉工業大学紀要. 第4号. 91-98 (1995)

  • [文献書誌] 深町共栄: "Observation of Phase variation in the Rocking Curve in the Laue Case" KEK Progress Report. ♯12(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 深町共栄: "Dispersion Surface of X-ray Very Near the Absorption Edge" Acta Crystallographica. A51. 253-258 (1995)

  • [文献書誌] 深町共栄: "Laue caseのロッキングカーブに見られる位相変化の観測" 埼玉工業大学紀要. 第4号. 67-74 (1995)

  • [文献書誌] 根岸利一郎: "原子散乱因子の虚数部だけによる動力学回折における定在波" 埼玉工業大学紀要. 第4号. 83-90 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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