研究課題/領域番号 |
06640481
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宮谷 和雄 愛媛大学, 教養部, 教授 (10209918)
|
研究分担者 |
田中 寿郎 愛媛大学, 教養部, 助教授 (60171782)
|
キーワード | copper sulfide / antiferromagnetism / superconductivity / spin correlation / electron correlation / superconductor |
研究概要 |
試料:Cu[Cu_xCo_<2-x>]S_4(x=0-0.5)系の合成は困難を極めたが、良質の多結晶試料を再現性高く合成できるようになり、高圧特性や低温比熱の測定が得られるようになった。また、単結晶Cu_<1.5>Co_<1.5>S_4の合成を気相輸送法で進めているが、スピネル相の育成条件が見つからず、まだ不成功に終わっている。Cuの役割について知見を得るため、tetrasiteをNiまたはCoで置換した(Cu_<1-x>Ni_x)Co_2S_4(x=0-1)系と(Cu_<1-x>Co_x)Co_2S_4(x=0-1)系の単相の試料の合成に成功し、基礎物性の測定が進んだ。 CuRh_2S_4とCu_<1.5>Rh_<1.5>S_4の単相の多結晶を合成しCu[Cu_xCo_<2-x>]S_4(x=0-0.5)系と比較検討を進めた。 測定結果:Cu[Cu_xCo_<2-x>]S_4(x=0-0.5)系では、中性子線回折、熱電能、ネ-ル点と超電導転移温度の高圧効果、および、低温比熱の研究が進んだ。中性子線からは、ネ-ル点(20K)以下で局在スピンによる磁気整列が存在するが、磁気モーメントは弱いことが判明した。しかし、磁気構造を決定することができなかった。熱電能からは担体はp型であり、x=0で金属的、超電導になるx=0.5では半導体的に振る舞うことがわかった。高圧効果では、交流帯磁率、直流帯磁率、電気抵抗を測定し、磁気、超伝導、温度、圧力間の相図を完成し、体積効果を明らかにした。比熱の測定からは、ネ-ル点と超電導転移点の相当する比熱の変化が観測された。いずれの結果も、Cu3dによる反強磁性スピン相関と強電子相関系の特徴を示しており、超電導との共存について詰めを行っている。 現在、定量的な解析を進めている。
|