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1994 年度 実績報告書

強磁場中のビスマス内サイズ量子化下の電子・正孔系の金属-非金属転移の探索

研究課題

研究課題/領域番号 06640483
研究機関九州大学

研究代表者

深見 武  九州大学, 理学部, 助教授 (20037261)

研究分担者 市川 聡夫  九州大学, 理学部, 助手 (30223085)
キーワード金属-非金属転移 / サイズ効果 / ビスマス
研究概要

3回対称軸に垂直な膜面を持つBi単結晶薄膜の3回対称軸方向に磁場を加え、量子極限状態を実現し、量子サイズ効果による磁場方向の運動量の量子化を伴った一次元運動を実現する。このことによって、各々の準位の状態密度を高める。この条件で、磁場強度を制御し、縮退電子・正孔の特定の量子準位をフェルミ準位に接近させた状況に実現し、温度降下に伴う金属一絶縁体転移の有無と、その物理的性質を研究する。これらのことを目的に研究を進めている。
(1)不純物によるエネルギー準位の広がりを可能な限り押えることを目的として、市販のビスマス「純度99.9999%)を高純度化するため、精製し、直流スパッター法による薄膜作製のためのターゲットを得た。同時に、電子ビーム蒸着装置の整備も進めていて、双方で薄膜作製を行い、評価し、研究に必要な高品質試料作製を進めている。
(2)上記のターゲットを用いて、3回対称軸に垂直な膜面を持つビスマス単結晶薄膜を直流スパッター法と真空蒸着法を用いて作製している。基板加熱が可能な直流スパッター装置は既に所持していたが、真空系に不備があり、その整備を行い、薄膜作製に取り掛かった。基板として雲母を用いた。薄膜試料に対する条件は、1000Å程度の膜面の平坦な薄膜であること、3回対称軸が膜面に垂直な単結晶であること、不純物によるエネルギー準位の広がりが0.1K程度以下になること、である。
(3)薄膜の質の評価の一つの方法として、膜面に平行な電流による電気抵抗を用いて、これまで観測されていない正孔による零磁場中で明瞭な量子サイズ効果を確認する必要がある。電気抵抗における量子サイズ効果はフェルミ準位の鋭さ、従って温度に強く依存するので、可能な限り温度を下げる。この観点にたって、0.1K以下までの冷却装置としてのHe3-He4希釈冷凍機の整備を行った。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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