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1995 年度 実績報告書

強磁場中のビスマス内サイズ量子化下の電子・正孔系の金属-非金属転移の探索

研究課題

研究課題/領域番号 06640483
研究機関九州大学

研究代表者

深見 武  九州大学, 理学部, 助教授 (20037261)

研究分担者 市川 聡夫  九州大学, 理学部, 助手 (30223085)
キーワード金属-非金属転移 / サイズ量子化 / ビスマス / 二次元系
研究概要

劈開雲母面を基板として、電子ビーム蒸着装置を用いて、ビスマス薄膜を作製してきた。使用したビスマスインゴットの純度は99.9999%、基板温度100℃-130℃、蒸着室の真空度10^<-6>Torrで蒸着した。蒸着速度は約0.5Å/secで行い、蒸着時間を制御して、450Å-2500Åの薄膜を作製した。
作製された膜の結晶性の評価は、X-線を用いたω-θスキャン法とラウエ法を用いて行った。前者からは、ビスマスの3回対称軸が常に基板面に垂直に成長することが確認できた。後者からは、薄膜が、単結晶であることが確認できた。
表面の成長形態を調べるため、SEM(Scanning Electron Microanalysis)観察を行った。膜厚の増大とともに、表面の島状構造の大きさも増大していることが分かった。そのことは、我々の使用した条件では、ビスマスの薄膜成長は基板面での島状の核生成に始まり、そこから膜成長が進んでいることを示す。
膜面に平行な電流による電気抵抗を測定した。室温での比抵抗は450Åの膜を除き、約1.5×10^<-4>Ωcmを示し、バルク単結晶の値に近い。しかし、温度依存性は弱い半導体的依存性を示し、低温領域では飽和の傾向を示した。その傾向は膜厚にほとんど依存しなかった。
これまで観測されていない正孔による零磁場中で明瞭な量子サイズ効果を観測し、研究の目的である金属-非金属転移の探索を行うためには、比抵抗の温度依存性が金属的であることが不可欠である。半導体的な温度依存性の原因として、(1)2次元系特有の不純物によるキャリアーの局在効果によるのか、(2)表面の構造に起因するキャリアーの表面散乱によるか、(3)それらの相乗効果によるのか、原因を調べる実験を進めている。
薄膜試料の高品質化をはかるため、基板を単結晶BaF_2(111)基板に変え、試料作製室を高真空にして、酸素の混入を防ぐことを計画している。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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