局在の概念は、ランダム・ポテンシャル中を運動する電子の特性として、1958年Andersonによって導入された。アンダーソン局在は波動の干渉効果に起因するものであり、その適用は電子系に限定されるものではない。1985年ランダム媒質中でのマイクロ波の「弱」局在が実験的に検証されてから、光波の局在が現実に観測される可能性が高まった。しかし光(フォトン)の「強い」局在を視座においた研究はなされていなかった。また光導波路など、現実に設計可能な系やTailor-made Materials)を対象として実験的実証はもとより、理論的な解析、数値的はシミュレーションなどもなされていなかった、本研究では、光波の「強い」局在が非周期導波路で実現可能な事を、理論的及び数値的に明らかにする事を目的とする。 本研究では、我々が開発した新しいアルゴリスム(強制振動子法)と並列処理型スーパー・コンビュータの有効利用により、ランダムな屈折率分布を有する光導波路における、光(フォトン)の強局在現象を扱い、強い局在特性とフォトニック・ギャップの関係、フォトン移動端、制度の高いスペクトル密度分布等を直接計算機上で明らかにした。
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