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1995 年度 研究成果報告書概要

スピングラス系におけるクラスター効果の数値解析

研究課題

研究課題/領域番号 06640498
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物性一般(含基礎論)
研究機関北海道大学

研究代表者

根本 幸児  北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60202248)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワードスピングラス / クラスター効果 / モンテカルロシミュレーション / ランダムスピン系 / レプリカ交換法
研究概要

スピングラスのようなフラストレーションのあるランダム系で、一般に準安定状態が多数存在すると考えられている。そのような状況の下では多くの場合「ガラス的」な緩和現象が見られると予想され、実験的にも多くの物質で観測されている。
異常長緩和現象を説明する理論の背景には、相関の強いスピンクラスターの形成・成長が本質的であるという考えがある。本研究では、クラスターの形成そのものに焦点を絞り、それを空間的な秩序構造の一形態とみなして解析することによって、クラスターの振舞が異常長緩和現象へ果たす役割を解明することを目指したものであった。この目的のため、次のような構成で研究が進められた。
1.どのような長緩和現象が発現するかを知るために、短距離相互作用型の±JイジングスピンEdwards-Anderson(EA)模型の高温側における自己相関関数q(t)の性質をモンテカルロシミュレーションによって綿密に調べ、特に対応する強磁性模型の転移温度以下におけるGriffith相にどのように移行するかが解明された。
2.異常長緩和現象は、モンテカルロシミュレーションを行なう上で、大きな障害となる。殊に、低温側では熱平衡に至る時間が計算実行可能時間を大幅に上回り、事実上実行不可能であった。この困難を克服するため、我々がレプリカ交換法と呼ぶ新しいシミュレーションの方法を開発し、その有効性が確かめられた。
3.上記の方法によって±Jイジングスピン模型の2点空間相関関数を求め、その固有モードとクラスターの定量的定義とし、その性質、特に1.で明らかにされたGriffith相への推移とクラスターの変化との関連を明らかにする計画であったが、残念ながら本格的解析までに至らず、今後の課題として残された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K. Hukushima: "On the Forces Ocsillator Method for the Eigenvalue Spectrum Edge of ±J Random Matrix" Journal of the Physical Society if Japan. 64. 1863-1865 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K. Hukushima: "The Spin Dynamics of the 3D±J Ising Spin Glass Model in High Temperature Region" Journal of the Physical Society of Japan. 64. 2183-2190 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K. Hukushima: "Application of an Extended Ensemble Method to Spin Glasses" International Journal of Modern Physics C. (印刷中). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K. Hukushima: "Exchange Monte Carlo Method and Applications to Spin Glass Simulations" Journal of the Physical Society if Japan. (印刷中). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.Hukushima: "On the Forced Ocsillator Method for the Eigenvalue Spectrum Edge of (]SY.+-.])J Random Matrix" Journal of the Physical Society of Japan. 64. 1863-1865 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.Hukushima: "The Spin Dynamics of the 3D (]SY.+-.])J Ising Spin Glass Model in High Temperature Region" Journal of the Physical Societyof Japan. 64. 2183-2190 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.Hukushima: "Application of an Extended Ensemble Method to Spin Glasses" Internationl Journal of Modern Physics C. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.Hukushima: "Exchange Monte Carlo Method and Applications to Spin Glass Simulations" Journal of the Physical Societyof Japan. (in press). (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1997-03-04  

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