研究課題/領域番号 |
06640515
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
相澤 洋二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70088855)
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研究分担者 |
宮坂 朋宏 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90257246)
原山 卓久 ATR光電波通信研究所, 通信デバイス研究室, 研究員 (70247229)
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キーワード | 格子振動 / 1 / fゆらぎ / カオス / ハミルトン系 / 非線形 / 散乱系 |
研究概要 |
本研究の目的で述べたようにハミルトン系の1/fスペクトルの発生機構と、相空間の構造とカオス運動の普遍性とから理論化するとともに、その影響が物性の諸現象に及ぼす効果について計算機シミュレーションによって評価することを目指して来た。本研究によって古典及び量子系について次に述べるいくつかの新しい結果を得ることが出来た。すでに予備的な計算によって得ていた定性的な結論を精密化していくことと、現在取り組んでいる課題を完成させる方向で、研究成果の論文発表を現在準備している。 1.非線形格子系の曲率分布と不安定化メカニズムを一貫して説明できるシナリオが完成した。ID系の結果を論文にまとめる予定である。また、同じシナリオが2D系についても成立することが予想されるので、その確認のシミュレーションを行う予定である。 2.散乱系の1/fゆらぎ発生メカニズムについて、少数体系の計算はほぼ完了している。散乱カオスの具体的応用例として化学反応についての実験結果が数多くあるので、我々が得た結論を気体3分子に適用するシミュレーションを継続中である。 3.量子系の1/fゆらぎの発生機構を開放ビリア-ド系の挙動から導くため、共鳴準位統計と分岐過程の詳細について現在精力的に取り組んでいる。共鳴状態の波動関数の計算が終了して評価を本年度中に完了する予定である。
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