中国の湖から採取した堆積物コアの古地磁気測定 四川省のLake Qionghalで採取した2本のコアと雲南省のErhai Lakeで採取した1本のコアの帯磁率、自然残留磁化の測定及び交流消磁実験をすべて終了した。 Lake Qionghaiのコアからは、過去約2万年間の地磁気永年変化が得られ、約4000年前に偏角の東振りピークが見つかった。これは、まさに今まで日本、ヨーロッパ、北米で観測されている地磁気西方移動が四川省でも観測できた証拠である。Erhai Lakeのコアの古地磁気記録も同じく偏角の東振りピークが出ている。 このコアについては現在炭素同位体年代測定を行っている。その結果しだいでは中国の2箇所で地磁気西方移動が観測できることになり、4200〜2500年前に移動性非双極子磁場が存在した強い証拠を得る結果となる。 世界の地磁気永年変化データの収集 今までに発表されている地磁気永年変化データのリストを集めた。場所は日本以外に北米のElk LakeとLake St.Croix 、イギリス、ノルウエー、デンマーク、スエ-デン、ブルガリア、ウクライナ、イスラエル、ハワイ、アルゼンチン、オーストラリア、の12箇所ある。ハワイのデータは著者から直接送付により入手、他は論文のリスト又は図からの読み取り機によるデジタル化で手に入れた。現在のデータ処理状況は、50年毎のデジタルデータ作成を完了し、フィルター処理して平滑化データを作ってところである。平成7年7月までに球面調和解析が可能なところまで到達する予定である。
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