研究課題/領域番号 |
06640547
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大野 一郎 愛媛大学, 理学部, 教授 (00116914)
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研究分担者 |
鈴木 功 岡山大学, 理学部, 教授 (60033198)
木村 正樹 愛媛大学, 工学部, 助手 (50127891)
花山 洋一 愛媛大学, 工学部, 教授 (00036386)
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キーワード | 弾性率 / 弾性率の圧力勾配 / 共振法 / ガス圧 / 鋼 |
研究概要 |
鉄(鋼)球試料のスフェロイダル・モード_1S_2、_1S_3、_1S_4の周波数の圧力勾配∂f/∂Pの測定データから体積弾性率の圧力勾配∂K/∂P≡K_0′を求める解析を行なった。そのために試料-Heガス-キャビティ・コンテナの球殻三層構造の固有周波数を圧力の関数として計算し、周波数の圧力勾配∂f/∂Pを求めた。球殻三層構造の固有周波数の計算は、地球の自由振動のノーマル・モード解の計算のためのサブルーチン・パッケージDISPER80(Saito,1988)によった。Heガス、キャビティ・コンテナ(WC超硬合金)の圧力下の性質はKimura et al.(1995)、花山・他(1995)による測定値を用いた。試料の圧力下の性質は、常圧での体積弾性率K_0と剛性率G_0、トロイダル・モードの∂f/∂Pの測定率の圧力勾配G0^1、および仮定するK_0′から有限歪弾性論により与えた。計算の結果、試料-Heガス-キャビティ・コンテナの球殻三層構造の∂f/∂Pは試料のみの均質構造の∂f/∂Pより数10%小さいことが判明した。仮定する飼料のK_0′を6から10の範囲で変え、∂f/∂Pの計算値が測定値に合うようなK_0′を求めた結果、K_0′=8〜9となった。これはスフェロイダル・モードと周囲とのカップリングを無視して得られる値K_0′=4〜5の約2倍である。このことは周囲とのカップリングが無視できず、スフェロイダル・モードの∂f/∂Pの測定からK_0′を求める際には球殻三層構造としての取扱が必要であることを示している。以上の成果により、等方体の弾性率の圧力勾配を測定する方法としてのGavity Resonance法が確立されたと考える。
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