研究概要 |
1.1992年1月に行われた昭和基地を含む南極SCAR・GPSキャンペーンの解析を行うため、GAMITプログラム入力データファイル作成及び編集を行った。CVIEWに替わってAUTCLN操作が出来るようになったので能率が上がった。SIO暦、GFZ暦を用いた比較解析を行った。 2.17地点、10日間データ、SIO暦を用いた解析結果によると、昭和基地GPS基準点(No.23-16金属標)のITRF92地心座標値はX=1766197.964m,Y=1460336.492m,Z=-5932285.883mであった。同じデータセットについてGFZ暦を用いるとX=1766197.947m,Y=1460336.521m,Z=-5932286.005mであった。標準誤差はいづれも4-5cmであった。Z成分の差が大きい(12cm)が系統的な差かどうかはこれだけではわからない。 3.GPS基線解析により2-3cmの収束精度を保証するためにはsite information table,session information tableの確証が必要である。日々の解は4-5cm確度で安定している。しかし、各基地のアンテナオフセットが、どの点でも1cm精度で安定しているかどうかは心許ない。安定した恒久的なピラ-での観測が重要である。 4.鹿島-ティドビンビラ-昭和基地のアンテナ間でVLBI測定が1990年1月実施されたほか、昭和基地においては1993年2月からDORISビ-コンが運用されている。No.23-16金属標における地心座標値の比較解析結果を測地学会誌に発表した。 5.1998年より定期的なVLBI観測を開始する計画が具体化した(APT95 International Workshopにて発表)。GPSとVLBIの同時比較観測により地球動力学基礎データが得られるであろう。
|