1.理論的アプローチ スケール・アナリシスにもとづいて、実験装置の設計と中立波動の線形伝播特性を調査した。その結果、回転フル-ド数(ここでは系の浅水波位相速度に対する系の回転速度の比の2乗)が1程度以下の時にこの実験装置で惑星波動が励起され、ロスビー数(ここでは系の回転速度Ωの2倍に対する初期流速の角速度ΔΩの比)が小さいほど、その惑星波動がより高緯度まで伝播可能であることが解った。 2.室内実験的アプローチ 1.にもとづいて、主回転台、副回転台、実験水槽、レーザー流速計、画像解析装置等の実験および解析装置を製作し、極渦反転実験およびその解析を行った。その結果、ロスビー数が小さいほど、ΔΩで無次元化した極渦反転がより強くより広範囲で起こることが解った。 3.数値実験的アプローチ 2.と似た条件を、球面バロトロピック・モデルの赤道上渦度強制問題として定式化し、数値実験を行った。その結果、極渦反転が強く広範囲で起こるためにはロスビー数が1/(40)程度が最適であることが解った。さらに反転が起こる過程が3種に分類できた。現在1.、2.との比較検討を行っている。 4.不安定波動に対する準備 安定した波数1の傾圧不安定波動の速度場と温度場の観察に成功した。
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