太陽表面の太陽コロナを源として太陽風プラズマは超音速で惑星間空間へ拡がり、星間ガスとの相互作用のもとで広大な太陽圏を形成する。太陽圏外圏構造については、我々は惑星間空間トロイダル磁場が太陽圏外圏で重要な役割を果たすことに着目して、電磁流体的(MHD)取扱いをすべきと考え、しかも3次元的解析の重要性にも着目して3次元MHDシミュレーション解析による太陽圏外圏の構造とダイナミックスの研究を行ってきている。ダイナミックスとしては、まず、太陽活動11年周期に伴い太陽圏外圏外圏プラズマがどう応答するかの解析が重要と考えて研究を進めている。 太陽風プラズマは外圏の終端衝撃波において速度が超音速から亜音速へと急激に減速される。そのため太陽風プラズマにより運ばれて来た惑星間空間トロイダル磁場はヘリオシースで蓄積され強度が大となり、プラズマに対して磁気圧の効果が効く。我々の今回の3次元MHDシミュレーション解析では、太陽からほぼ放射状に拡がってきた太陽風プラズマがヘリオシースにおいて、磁気圧効果によって太陽自転軸方向に流れの向きを変化させられることが確認出来た。これによりプラズマはヘリオシース中では一旦は自転軸周辺に集まりかける。しかし、星間ガスのグローバルな流れの影響によってヘリオシース中では軸自体が星間ガスの下方へと曲げられるため、軸周縁に集まりかけたプラズマがそのまま下方へと吹き流され、外圏尾部では軸の南北両側から出た2本の流れの構造が形成されることが確認出来た。またヘリオポ-ズ面にて惑星間空間トロイダル磁場と星間ガス中の磁場(銀河磁場)の極性の関係で両ガスの異常流入・混合が起きる可能性も見つかり引き続き解析を進めている。現在、より改善された計算機コードの整備が進行中であり、次年度にダイナミックスの解析を行う条件を整えつつある。
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