太陽圏外圏の研究は深宇宙空間探査機Pionner10/11及びVoyager1/2が既に冥王星軌道(50天文単位程度)を超え外圏へと刻々と近づきつつあり、観測データも豊富になりつつあることに伴い、国際的に大変活発となっている。本研究では電磁流体力学的(MHD)計算機シミュレーションにより太陽圏外圏のグローバルな3次元MHD構造を明らかにし、かつ太陽11年周期活動に伴い外圏がどのような周期変動をするかを明らかにすることを目的として行われた。 最先端の3次元TVD計算機スキームならびに図形表示スキームを用い、以下の基本的に重要なMHDプロセスを明かにすることが出来た。 1.終端衝撃波とヘリオポ-ズとの間の領域、即ちヘリオシースに半球殻状に磁気壁が存在することを発見した。この磁気壁は惑星間空間トロイダル磁場が太陽風プラズマにより内部から外側へと運ばれヘリオシースに集積して出来たものである。 2.この磁気壁により、中・高緯度帯の太陽風プラズマは方向を星間ガス流の下流側へと曲げられる。赤道ディスク帯の太陽風プラズマのみが磁気壁をすり抜けてヘリオポ-ズに達している。 3.この磁気壁をつくるポロイダル電流をはじめとする巨視的な電流系の3次元構造を明かにした。 4.太陽活動11年周期活動に伴う外圏中のプラズナ・磁場・電流の3次元周期変動を明かにした。 これらの結果は国際会議での招待講演で発表され、また論文として出版または印刷中である。
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