研究概要 |
(1) 静岡県の掛川・相良地方に露出する相良層群のうち,知多半島の東海層群とほぼ同層準と推定される層準について,地質調査を行った. (2) 同時に,火山灰層の試料を採集し,火山ガラス屈折率の精密測定を行った.それらの屈折率は,Nd=1.495〜1.525の範囲にある. (3) 知多半島の東海層群のうち,下半部にはさまれる火山灰層の試料を採集し,火山ガラス屈折率の精密測定を行った.それらの屈折率は,Nd=1.495〜1.520の範囲にある. (4) 知多半島の東海層群のうち,上半部にはさまれる火山灰層1枚について,フイッション・トラック(F-T)年代測定を行った.この火山灰層の年代は,T=4.0±0.3Maと測定された. (5) 相良層群と東海層群の火山灰層のなかで互いに対比できるものがあるかどうか,得られた屈折率を中心にして,岩質・層準なども考慮しつつ,現在検討中である. (6) 得られたF-T年代値は,当初推定していたものより,100〜150万年も古く出てしまった.このことから,推定の根拠そのものが誤りであったのか,あるいは年代値に問題があるのか,現在検討中である. (7) もし,推定の根拠そのものに問題があったとすれば,知多半島の東海層群の層序・層準について,再検討が必要になる.
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