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1994 年度 実績報告書

オキナエビス科巻貝のDNAと殻形態の比較進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640605
研究機関横須賀市自然博物館

研究代表者

蟹江 康光  横須賀市自然博物館, 学芸員 (30083108)

研究分担者 上島 励  筑波大学, 生物科学系, 助手 (20241771)
キーワードオキナエビス科 / DNA / 進化 / Pleurotomariidal / オキナエビス / コシダカオキナエビス / 殻構造 / 巻貝
研究概要

無人潜水機による三崎沖の水深93〜124mの岩上でオキナエビス生体が得られた。鴨川沖の水深119mでも生態観察した。
オキナエビス,コシダカオキナエビス,ベニオキナエビス,テラマチオキナエビスの順に殻の柱軸が太く,巻層の縫合が強くなり,殻も厚い。リュウグウオキナエビスのへそ穴は前4種と大きく異なる。殻高/殻直径比は,コシダカオキナエビス,オキナエビス,ベニオキナエビス,テラマチオキナエビスの順に低くなる。
オキナエビスは房総半島沖〜熊野灘と伊豆諸島に限られ,近縁のコシダカオキナエビスは紀伊水道以西の水深110〜250mの岩礁域にいた。リュウグウオキナエビスはコシダカオキナエビスと同所にいることが多く,テラマチオキナエビスは水深425mの砂底上にいた
従ってEntemnotrochusは原始的な分類群であろう。Mikadotrochusは中新世以降にPerotrochu属から岩礁底の生活に適応したグループであろう。
これら各種の遺伝子については,1)房総半島沖の冷凍ベニオキナエビスの中腸腺と生殖巣からの核酸分析ではDNAが破壊されていた。2)三崎沖の生体オキナエビスではエタノール沈殿中にDNAが分解され,従来の方法では予想外の結果となった。3)奄美沖の冷凍オキナエビスのフエノール分析でもDNAが破壊されており,冷凍の過程に問題があったと推定した、。4)オキナエビスに近いニシキウズ科貝で抽出バッファーへの試料量を減らすこと・フエノール処理を3回行うこと・蛋白変性剤を添加することでDNAが得られた。平成7年度にはこの方法でオキナエビス科試料を分析したい。一方,得られた高分子量のDNAはPCR法でミトコンドリアDNA断片の増幅を試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 蟹江康光・小泉斉・井上浩吉: "新生化オキナエビス科巻貝の系統進化" 日本古生物学会1994年年会講演予稿集. 61 (1994)

  • [文献書誌] 倉持卓司・蟹江康光・小泉斉: "オキナエビス科Pleurotomariidae分類についての再検討" みたまき. 29. 3-9 (1994)

  • [文献書誌] 蟹江康光・服部陸男・倉持卓司: "オキナエビスガイ科の分布と系統" 第11回しんかいシンポジウム予稿集. 37-40 (1994)

  • [文献書誌] 小泉斉・蟹江康光: "仙台市西部地域の茂庭層(15-16Ma)産オキナエビス科化石" 日本貝類学会平成7年度大会講演要旨集. 27 (1995)

  • [文献書誌] 上島励: "陸産貝類の種分化と分子系統解析" 動物分類学の多様な展開. (印刷中).

  • [文献書誌] 上島励: "系統樹構築法とその評価" 生物の種の多様性. (印刷中).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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