衝撃・気相・静的高圧合成ダイヤモンドの微細組織と地球外ダイヤモンドの成因

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06640612
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 八木 寿子 (平井 寿子) 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (60218758)
• 研究分担者: 近藤 建一 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (50111670)
• キーワード: 地球外ダイヤモンド / 合成ダイヤモンド / 微細組織 / 成因 / 衝撃法 / 気相法 / 静的高圧法

研究概要

宇宙環境に類似する衝撃圧縮法や気相法によって発生される非平衡環境下では、誘起される相転換は温度・圧力、その時間変化等の実験パラメータ、および、出発物質の初期状態等の材料パラメータに大きく左右される。これらのパラメータの効果を独立に調べるためには、各出発物質に対して共通の温度・圧力を発生させること、および、単一の材料パラメータから成る出発物質を選ぶことが不可欠となる。そこでこの目的に合致する特殊なサンプル構成を開発し、さらに、数多くの炭素材料を詳細に評価することにより適切な炭素材料を選択し、温度・圧力および材料パラメータを独立に変化させた衝撃圧縮実験を行った。その結果、ダイヤモンド転換に関与する実験パラメータと材料パラメータの両者の効果を明らかにし、その優先的関係を得た。さらに、衝撃圧縮下の炭素材料の転換挙動を示すダイナミックダイヤグラムとも言うべき、P-T-Material diagramを初めて提案した。
従来、ダイヤモンド転換に関して、マルテンサイト的転換機構と拡散的転換機構が論議され混乱していたが、これは、ダイヤモンド転換に関わる実験パラメータと材料パラメータと分離せずに議論していたことが主要な原因であり、本研究による優先的パラメータを明確にした動的環境下での転換挙動の研究により、従来の混乱は大きく整理された。

研究成果

• [文献書誌] Hirai,H.Kondo,K,: "Amorphous diamond from C_<60> fullerene." Appl.Phys.Lett.64. 1797-1799 (1994)
• [文献書誌] Hirai,H.Kondo,K.: "Transition process to diamond from C_<60> fullerene." Chemical Physics Letters. 226. 595-599 (1994)
• [文献書誌] Hirai,H.&Kondo,K.: "C_<60> fullerene under high pressure; a transition to diamond and to an amorphous diamond under shock-compression." Advanced Materials '93 I/B:edited by M.Homma et al.(Elsevier Science). 1127-1132 (1994)
• [文献書誌] Hirai,H.&Kondo,K.: "Amorphous diamond from C_<60> fullerene by shock compression and rapid quenching." High-Pressure Science and Technology-1993 Edited by S.C. Schmidt. 659-662 (1994)
• [文献書誌] Hirai,H.Kondo,K.: "Process of C_<60> fullerene collapse to sp^3 bond formation under shock compression." Avanced,in New Diamonds Science and Technology,Editor:Fujimon. 583-576 (1994)
• [文献書誌] Hirai,H.&Kondo,K.: "Shock-compacted Si_3N_4Nanocrystalline Ceramics:Mechanisms of Consolidation and Transition frrm α-toβ-form." J.Am.Ceram.Soc.77. 487-492 (1994)