• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

電子分光法による電子的高励起分子の動的挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640645
研究機関東京工業大学

研究代表者

河内 宣之  東京工業大学, 理学部, 助教授 (50161873)

研究分担者 亀田 幸成  東京工業大学, 理学部, 助手 (90214551)
キーワード電子・光子同時計数法 / 電子エネルギー損失スペクトル / 分子高励起状態 / 光学的禁制遷移 / 電子衝突ダイナミクス / 水素分子 / 二電子励起状態
研究概要

平成6年度(初年度)に装置は確立したので、本年度は本格的な実験に取り掛かった。まず水素分子を対象にH(2p)生成と同期した電子エネルギー損失スペクトルの測定を二電子励起状態が存在するエネルギー領域で試みた。二電子励起状態の測定には困難が多くこれまでに得られている知見は不十分であったが、本研究により初めてエネルギー損失スペクトルで水素分子二電子励起状態の構造を観測することに成功した。二電子励起状態のエネルギーを特定したうえでの電子衝突実験はこれまでになく、それゆえ本研究で得られた成果の意義は大きい。とりわけ光学的禁制二電子励起状態による構造をはじめて明らかにしたことは重要で、この状態が未知の状態であるか、またはこれまで行われてきたダイナミクスの古典的取り扱いがこの場合に適用できないのかについて、国内外の研究者の議論を呼んだ。
その後に水素分子イオン化ポテンシャル近辺のエネルギー領域で低入射電子エネルギー実験を行った。低入射電子エネルギーでは、H(2p)生成と同期した電子エネルギー損失スペクトルの形状が比較的高エネルギーでのスペクトル形状と大きく異なるという結果が得られた。これは光学的禁制状態による寄与が低入射電子エネルギーのスペクトルに現れているためと考えることができる。同じ条件の通常の電子エネルギー損失スペクトル同士を比べるとそれほど大きな形状の変化が見られないことから、本手法が光学的禁制状態の生成と崩壊のダイナミクスに非常に敏感であるということことがいえる

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Odagiri et al: "Electron energy-loss study of superexcited hydrogen molecules with the coincidence detection of the neutral dissociation" J. Phys. B. 28. L465-L470 (1995)

  • [文献書誌] T.Odagiri et al: "Doubly excited states of molecular hydrogen as studied by coincident electron-energy-loss spectroscopy" J. Phys. B. 29(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] T.Odagiri et al: "Doubly excited states of molecular hydrogen as studied by coincident electron-energy-loss spectroscopy" Proceedings of the International Symposium on Electron-and Photon-Molecule Collisions and Swarms. H23 (1995)

  • [文献書誌] T.Odagiri et al: "Doubly excited states of molecular hydrogen as studied by coincident electron-energy-loss spectroscopy" Atomic Collision Reserch. 21. 12-13 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi