研究概要 |
(1) CH_3NH_3IにおけるIのK-吸収EXAFSの測定と単結晶X線構造解析:CH_3NH_3IのIのK-edge EXAFSの測定を高エネルギー物理学研究所の放射光を利用して行った。測定温度範囲は20から300Kで、特に166Kの構造転移点付近で詳細なデータの収集を行った。得られたデータは岡山大学情報処理センターの大型計算機により解析を行い、I^-イオンの周りの局所構造の温度変化を求めた。また、EXAFSの精度の高い解析を行うには、室温での結晶構造の情報が不可欠であるため、単結晶X線構造解析を行い、結晶中のC,N,Iの原子座標と異方性温度因子を決定した。得られた結果を、Photon Factory Activity Report(KEK)と欧文誌 Zeitschrift fur Naturforschung a に投稿した。 (2) CD_3NH_3IとCH_3ND_3Iの D NMRスペクトルの測定:CH_3NH_3Iの部分重水素化物を合成し、D NMRスペクトルの温度変化を120-300 Kの温度領域で行った。現在スペクトルの解析を行っている。 (3) CH_3NH_3MX_3(M=Sn,Pb; X=CI,Br,I)におけるSn,Br,I K-edge及び Pb Liii-edge EXAFSの測定:CH_3NH_3MX_3のEXAFSを測定し、構造相転移前後の各固相における金属及びハロゲンの周りの局所構造を決定した。 (4) アルカリ金属をドープしたフラーレン化合物の超伝導体転移点付近における熱振動(非調和温度因子)の異常性をFXAFSによって調べた。得られた結果の一部は、欧文誌 Physica C 及び Fullerene Science Technology に発表した。
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