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1995 年度 実績報告書

水素結合の励起状態におけるプロトントンネリング

研究課題

研究課題/領域番号 06640662
研究機関東京都立大学

研究代表者

生田 茂  東京都立大学, 教養部, 教授 (60112471)

キーワードab initio MO / 非経験的分子軌道法 / 水素結合 / プロトン移動 / 励起状態
研究概要

十分に拡がった基底関数と電子相関を十分に取り込むことが出来る電子状態理論を用いて、1.HCl_2^-の基底状態の構造2.HCl_2^-の水素結合エネルギー3.HCl_2^-の基底状態におけるプロトンのポテンシャル4.HCl_2^-の基底状態におけるポテンシャル曲面5.HCl_2ラジカル(^2Σ,^2Π)におけるプロトンのポテンシャル6.HCl_2ラジカル(^2Σ,^2Π)におけるポテンシャル曲面7.HCl_2^-の励起状態(1^1Σ,2^1Σ,^1Π)におけるプロトンのポテンシャル8.HCl_2^-の励起状態(1^1Σ,2^1Σ,^1Π)におけるポテンシャル曲面の決定を行い、理論的な解析を行った。HCl_2^-イオンの励起状態(2^1Σ&^1Π)のポテンシャル曲面は、解離型となり、励起状態の塩素アニオンとHCl分子に解離する。しかしながら、垂直励起によって生じる励起状態(1(Cl--Cl)=5.896Å)におけるプロトンのポテンシャル(反対称伸縮振動モードのポテンシャル)は、二つの極小値を持ち、それぞれ8kcal/molと18kcal/molのポテンシャル障壁をもつことが明らかになった。したがって、垂直励起によって生成したこれらの励起状態は、励起エネルギーが解離モード(対称性伸縮振動)に移るまでに、反対称性伸縮振動によりプロトンの移動が起こる可能性があることが明らかとなった。しかしながら、二つの極小値間のポテンシャル障壁は小さくなく、実際にプロトン移動が起こるには、反対称性伸縮振動モードが十分に励起される必要がある。今後、求めたポテンシャルを詳細に解析し、プロトン移動の確率等について定量的な検討を加える。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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