研究概要 |
1.(CO_2)_nとCH_3OHの反応の質量分析法による観測と(CO_2)_2のダイオードレーザースペクトルの観測 超音速分子ジェット中で(CO_2)_n分子会合体を生成した。ノズルの下流にCH_3OHを導入し,ピックアップ法により二成分分子会合体(CO_2)_mCH_3OH生成し,質量分析法により観測した。一方,超音速分子線の装置中に多重反射の光学系を設置し,CO_2のν_3バンドに漸近する(CO_2)_2のダイオードレーザースペクトルを観測した。このスペクトルは,質量分析の結果と同様に,CH_3OHの導入によって消失した。 2.計算機による非球形Ar分子会合体の振動運動の分子動力学シミュレーション 非球形のAr分子会合体の分子動力学計算を行い,その振動運動を調べた。その結果,この分子会合体では会合体全体の折れ曲がり振動が強く励起されることが解った。これは,分子会合体中の分子がいくつかの分子団を形成し,これらの分子団が疑似分子としてふるまうことによると考えられる。結果はOzaki et. al., Proceedings, Yamada Conference XLIIIに報告した(印刷中)。 3.Ar_n分子会合体とCO_2分子の衝突による二成分分子会合体の生成 Ar_n分子会合体とCO_2のを衝突させ,ピックアップ法によって生成したAr_mCO_2を質量分析法で観測し,生成断面積およびこのときに放出されるAr原子数を求めた。同様の衝突過程を分子動力学法でシミュレートし,計算結果を実験結果と比較した。結果はOzaki et. al., Sci. Rep. RITU, Series Aに報告した(印刷中)。
|