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1995 年度 実績報告書

ラマン散乱とX-線回析による包接和物のフォノン動力学と構造相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640668
研究機関東洋大学

研究代表者

和田 昇  東洋大学, 工学部, 教授 (40256772)

キーワード包接水和物 / ラマン散乱 / X線回折
研究概要

当研究は包接水和物(clathrate hydrates)の相転移と、それにともなう水素結合の変化、水分子の多面体構造、それにゲスト分子の環境変化の実験的考察を目的として行なった.
フラーレンのOH化が可能になり(この化合物をフラロールと呼ぶ)水溶液をつくることができるが、この系のキャラクタリゼーションを行った.成分分析の結果多分の不純物が混入されていることがわかった.フラロール化の際、水酸化ナトリウムやテトラブチルアンモニウムハイドロオキサイドを使用するが、これらの化合物が多く残っているようである.いろいろ試みたが、フラロール一分子あたりのOH基の数のも決定できず定量的な考察はできなかった.
THF分子と水分子をモル比で1:17で混合して冷却すると約4度Cで結晶化するが、この構造IIに分類される包接水和物からのラマン散乱も行った.O-H振動(〜3400cm^<-1>)や水素結合振動(〜60cm^<-1>〜210cm^<-1>)の結晶化にともなう振る舞いから包接水和物の水分子のネットワークは氷のそれよりも強いことが推測された.また、THF分子は直径9.36Åのケージのなかに存在するが、そのラマンピークとその偏光性から液体中よりより均一な分子場の中におかれている等の結論が引き出せた.純粋な水やTHFだけの溶液では観測されないラマンピーク(〜900cm^<-1>)をモル比で1:17で混合したTHF分子と水分子の溶液やその結晶から観測した.起源は不明であるがTHF分子の酸素と水分子との水素結合に関連しているのかも知れないと思われる。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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