申請者の研究課題「α-、β-、γ-ジカカルボニル化合物の統一的一般合成法の確立に関する研究」の研究実績の概要は以下のようである。 1。メトキシフェニルチオメタンCH_2(OMe)SPhとアルデヒトRCHOとの付加体RCH(OH)CH(OMe)SPhから4段階で種々のα-ジケトン体を合成し、α-ジケトンの新規な合成法を確立した。 2。1。と同じ中間体RCH(OH)CH(OMe)SPhを用いて、3段階で1。3-ジケトン体RCOCH_2CORを、4段階でβ-ケトニトリル体RCOCH_2CNをそれぞれ合成し、一般的なβ-ジカルボニル合成法を開拓した。 3。1。と同じ中間体RCH(OH)CH(OMe)SPhを用いて、3段階および4段階で目的とするγ-ジケトン体RCOCH_2CH_2COR、γ-ケトエステル体RCOCH_2CH_2COR、およびγ-ケトアミド体RCOCH_2CH_2CONR_2等をそれぞれ合成し、柔軟性に富むγ-ジカルルボニル化合物の合成法を見いだした。 4。上述した1。の新規なα-ジケトン体の合成法、2。の一般的なβ-ジカルボニル合成法、および3。の柔軟性に富むγ-ジカルルボニル化合物の合成法方法を繰り返し使用し、1、4、7-トリカルボニル体t-C_4H_9COCH_2CH_2COVH_2CH_2COOEtの合成に成功した。また1、2、5-トリケトン誘導体c-C_6H_<11>COC(SPh)=CHCH_2CO-t-C_4H_9や1、2、3-トリケン誘導体c-C_6H_<11>CH=C(OMe)COCOMeへの誘導も成功した。 初めに企てた本研究の研究目的は、上述のようにほぼ完全に達成されたと考えている。現在研究成果を公表すべくその準備を進めている。
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