研究概要 |
1.4-アニリノアニリンあるいは4-アニリノアニリニウムヨウ化物塩を含むエタノール溶液中で層状構造を有するVOPO_4・2H_2O粉末を撹拌することにより、層空間に4-アニリノアニリニウムカチオンを挿入された。一方、層状化合物であるV_2O_5・nH_2O粉末との同様の反応においては、層空間で重合が起こり、オリゴアニリノアニリン(分子量〜1100)を有する層間化合物が得られた。ホスト層の酸化部位であるバナジウム(V)イオン間距離のちがいが重合反応に反映することを明らかにした。 2.2,2′-ジピリジルジスルフィドを含むエタノール中において、VOPO_4・2H_2OあるいはV_2O_5・nH_2O粉末を撹拌し、層間化合物を得た。V_2O_5層間空間においてゲスト分子の両ピリジル核はプロトン化されるわけではなく、しかもゲスト分子の長軸は層平面に対して立ち上がっていることがわかった。このプロトン化のちがいは、両ホストにおける隣接バナジウムの距離とともに、分子の配向にも依存することがわかった。また、ピリジン-2-チオールは、S-Sカップリングを起こしプロトン化されつつVOPO_4およびV_2O_5層間に挿入されることがわかった。 3.ジルコニウムホスホネート層平面にピリジニウム誘導体カチオン部分の対イオンとしてBrイオンを有し、これらをIやCIイオンと交換した。固体反射スペクトルにおいて、ピリジニウムカチオン部分とハロゲン化物イオンの間の電荷移動吸収帯に変化が見られた。イソキノリニウムイオンが結合した層状化合物では、蛍光スペクトルが観測され、対イオンは隣接置換基であるBr原子のため、その強度は著しく弱くなった。
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