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1995 年度 研究成果報告書概要

硫黄、セレン、テルルを配位原子として含む金属錯体の合成と反応性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640727
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 無機化学
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

喜多 雅一  鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (20177827)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワードコバルト(III)錯体 / ロジウム(III)錯体 / パラジウム(II)錯体 / セレノラト配位子 / トランス影響 / 固体熱分解 / 配位子カップリング反応
研究概要

2-ピリジンセレノラト(pySe)を含むコバルト(III)錯体としては、[Co (pySe)(en)_2]^<2+>,[Co (pySe)(bpy)_2]^<2+>,[Co (pySe)_2(bpy)]^+,fac-[[Co (pySe)_3]を新たに合成した。[Co (pySe)(en)_2]^<2+>のX線構造解析により、セレノラトのトランス影響(シス位のCo-Nに比べてトランス位のCo-N結合が0.045†長い)を明らかにするとともに、セレノラトの立体化学的性質(fac-[[Co (pySe)_3]のみが得られる)をチオラトのもの(mer-[Co (2-pyridinethilato)_3]のみが得られる)と比べ、セレノラトの方が、共有結合半径が大きいことと、トランス影響が大きいことによる幾何異性の偏りと考えられるなどの新しい知見を得た。また、これらのセレノラト錯体は、空気中で酸化分解を徐々にし、不安定だった。ロジウム(III)錯体としては、[Rh (pySe)_2(PPh_3)_2」^+,[Rh (pySe)_3]を新たに合成した。[Rh (pySe)_3]錯体は、コバルト錯体と同じく、fac構造のみが得られた。パラジウム(II)錯体としては、[PdCl_2 (pySeBz)_2]を新たに合成し(pySeBzは(2-ピリジル)ベンジルセレニド)、固体状態での熱分解により、[Pd (pySe)_2]が生成することを、熱重量・熱示差測定とNMR,XPSスペクトル,蛍光X線分析を明らかにした。[PdCl_2 (pySeBz)_2](pySBzは(2-ピリジル)ベンジルスルフィド)も合成し、同様に熱分解したところ、類似の反応により熱分解して、[Pd (pyS)_2](pySは2-ピリジンチオラト)が、得られた。[PdCl_2(Me_2S)_2]錯体では、熱分解して、PdSが生成することが知られているが、それらとは異なる熱分解をすることがわかった。S-C結合よりもSe-C結合が切断しやすいこと、切断の機構が、アルキルアリール基の性質によりかなり異なることを明らかにした。ところが、[PdCl_2 (pySeBz)_2]をクロロホルム中で、室温で、再結晶すると[PdCl_2(pySepy-N,N')]に(pySepyは2,2'-ジピリジルセレニド)、錯体を反応場として配位子カップリングをすることを見いだした。[PdCl_2(pySepy-N,N')]については、X線構造解析をして構造を決定した。このような新規で、合成有用な反応を見いだすことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Kashiwabara et al.,: "Crystal Structure of Cobalt (III)-Methyldiphenylphosphine Complexes. Co (III)-P Bond Length and Cleavages" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 883-888 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.Kashiwabara et al.,: "Synethesis and Clystal Structure of Bis (1,1,1-tris (dimethylphosphinomethyl) ethane) iron (II) Tetrafluoroborate" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 3453-3457 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.kashiwabara, M.Kita, H.Masauda, S.Kurachi, and S.Ohba: "Crystal Structures of Cobalt (III)-Methyldiphenylphosphine Complexes. Co (III)-P Bond Length and Their Cleavages" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 883-888 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.kashiwabara, Y.Ozeki, M.Kita, J.Fujita, and K.Nakajima: "Synethesis and Crystal Structure of Bis (1,1,1-tris (dimethylphosphinomethyl) ethane) iron (II) Tetrafluoroborate" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 3453-3457 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1997-03-04  

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