研究課題/領域番号 |
06640754
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (40089371)
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研究分担者 |
酒井 秀樹 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80277285)
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キーワード | ミセル / ミクロエマルション / 疎水性超微粒子 / 光散乱測定 / 分子集合体 / フルオロシリコンオリゴマー / ハイブリッド界面活性剤 / 差ラマン測定装置 |
研究概要 |
1、両末端にフルオロアルキル基を有する新規カルボキシル基含有フルオロシリコンオリゴマーの溶存状態を検討したところ、分子の固液界面への配向が飽和に達する濃度より低い濃度で通常のミセルよりかなり大きい分子集合体を形成することが分かった。また。また、静的光散乱法を用いた解析により、分子集合体の形状は球形ではなく、円筒状であることが明らかとなった。更に、フルオロアルキル基やカルボキシル基などの鎖長が分子集合体の形状に及ぼす影響についても検討した。 2、一分子内に炭化水素鎖と炭化フッ素鎖を有するハイブリッド界面活性剤の溶液物性を検討した。ハイブリッド活性剤が形成するミセルの会合状態、特に炭化水素鎖の配向状態は、活性剤濃度に依存して大きく変化することがラマン分光法などの測定により明らかになった。また、この活性剤水溶液と油との間の界面張力は非常に小さく、ベンゼン等の油上に水滴を展開できることが分かった。更にこの活性剤の濃厚水溶液のレオロジー特性について検討を行ったところ、溶液の粘性は10w/w%付近で極大値を与え、この濃度の溶液は高分子水溶液が有するような粘弾性挙動を示すことが分かった。 3、ベンゼンなどの油を超音波などを用いて水中に強制的に分散させるとナノメータースケールの準安定な微小油滴が得られるが、このようにして得られる油滴の分散機構や物性について検討した。油滴の粒径分布を動的光散乱法を用いて測定したところ、粒子径は一様な分布を持つのではなく、複数のピークを持つ離散的な分布となることが分かった。また超音波のかわりに高速回転ホモジナイザーを用いた場合にも、同様の微小油滴が得られることが分かった。得られた結果をもとに、油滴の分散と合一の機構について考察した。
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