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1994 年度 実績報告書

半導体触媒による高分子の光分解に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640757
研究種目

一般研究(C)

研究機関明星大学

研究代表者

日高 久夫  明星大学, 理工学部, 教授 (70062312)

キーワード光酸化 / 二酸化チタン / 高分子 / 半導体光触媒 / 光分解
研究概要

高分子の分解は光劣化防止の立場からの分子レベルの研究は多くの報告がなされている。
熱分解処理法やバクテリアによる生分解法が行われているが一長一短があり、いろいろ問題点が多い。光分解による高度酸化技術(Advadanced Oxygen Tecknologies)は有力な方法の一つであり、環境保全に役立つと思われる。本研究ではTiO_2半導体触媒の強い酸化力を利用し、固体高分子の光分解を目的とした。水溶性高分子(PVA,PEG)ではTiO_2触媒表面への吸着が容易に起こり、CO_2へ無機化される。しかし高分子固体粒子とTiO_2触媒粒子では不均一分散系であるため、TiO_2粒子表面で生成したOHラジカルやOOHラジカルの高分子粒子への攻撃が複雑である。塩化ビニルの光分解では粒子表面から脱塩素が起こる。塩化ビニル粒子(粒径0.25〜0.75mm)の表面積に比例して、塩素イオン生成量はある。光分解された塩化ビニル(PVC)のGPC測定の結果PVCの分子鎖は切断され、低分子化される。SEM写真観察では表面から分解され固体粒子が繊維状態に分解される。比率的に水銀ランプの方が約3倍塩素イオンへの無機化が早いが水銀ランプは20日間連続照射に対し、太陽光の1日の平均紫外線照射は11.5時間であり水銀ランプの約1/2である。紫外線強度(260nm)も水銀ランプの80%程度であった。太陽光でも高分子化合物の光分解を効率良く行うことが明らかになった。TiO_2/PVC薄膜は水銀ランプによる紫外線照射時間に比例し薄膜が薄くなる。さらに光照射を進めると分解が進み膜表面がランダムに穴が空き、破壊された。XPS測定により粒子表面からの塩素原子Cl(2P3/2、201eV)、酸素原子O(1S、533eV)、炭素原子C(1S、285.4eV)のピークより光酸化状態を調べた。PVCにTiO_2を混入した薄膜にすることにより、水分、酸素および紫外線で高分子膜は崩壊することができる。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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