光学活性な蛍光ホスト分子の分子設計と合成 蛍光法によりアミノ酸エステルの光学純度を決定するために、蛍光指示薬としてカリックス[4]アレンを基本骨格とする光学活性な蛍光ホスト分子の分子設計と合成をおこなった。ホスト分子の分子設計としては、アミノ酸エステルとの錯形成により蛍光変化が起こるよう、カリックス[4]アレン分子内のアミノ基配位部位末端にピレン2分子を導入した。合成された化合物はラセミ体として得られた。アミノ酸エステルに対してメタノール中で、ピレンのモノマー/エキシマー発光の強度比が変化する事から、蛍光指示薬としての有効性を確認する事ができた。 高速液体カラムクロマトグラフイ-による蛍光ホスト分子の光学分割 光学活性な蛍光指示薬として利用するため、合成化合物の高速液体カラムクロマトグラフイ-による光学分割をおこなった。カリックス[4]アレン型の光学異性体の分離例が少なく、適した光学異性体分離用カラムの選択に多くの時間を費やしたが、年度内中にほぼ満足のいくカラムの選定ができ、光学分割を達成することができた。
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