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1994 年度 実績報告書

非環状キレート配位子による白金族元素の選択的分離能に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 06640774
研究機関茨城大学

研究代表者

大橋 弘三郎  茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)

研究分担者 鎌田 薩男  鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041527)
井村 久則  茨城大学, 理学部, 助教授 (60142923)
キーワード白金族元素 / パラジウム / 白金 / 非環状キレート配位子 / o-キシリレンビス(ジチオカルバメイト) / 長鎖8-キノリノール / 選択的分離
研究概要

本研究では、パラジウムや白金などの白金族元素の選択的相互分離系の構築を目的として、非環状な硫黄原子を配位子とするo-キシリレンビス(ジエチルジチオカルバメイト)(o-XEDTC)および長鎖8-キノリノール誘導体による正逆抽出におよぼす補助錯化剤の効果検討した。パラジウム(II)および白金(II)のo-EXDTCによる抽出速度は補助錯化剤Br^-,Cl^-<SCN^-<チオ尿素の順に加速されるた。白金(II)のo-XEDTCによる抽出におよぼす補助錯化剤の効果およびパラジウム(II)からの分離について検討した。白金(II)の抽出はたいへん遅いが、パラジウム(II)では10分でほぼ100%抽出される。ところが白金(II)が単独では全く抽出されない条件でも、パラジウム(II)が共存すると白金(II)の抽出率はパラジウム(II)濃度とともに増大する。振り混ぜ時間が短く、o-XEDTC濃度を小さい方が高い相互分離効率が達成された。次に白金(II)のo-XEDTC(0.04M)による抽出におよぼすチオ尿素の影響を検討した。2x10^<-5>Mまで抽出が増大し、最大85%に達しそれ以上では濃度の増大とともに減少する。
一般に硫黄原子を有する配位子が配位した白金(II)およびパラジウム(II)錯体は逆抽出されにくいが、チオ尿素により白金及びパラジウム(II)はそれぞれ50%、80%逆抽出された。2-メチル-5-オクチルオキシメチル-8-キノリノール(HMO_8Q)および5-オクチルオキシメチル-8-キノリノール(HO_8Q)による塩化物イオン共存下でパラジウム(II)はPd(MO_8Q)_2およびPd(O_8Q)_2として抽出される。抽出定数はHMO_8Q<8-キノリノール<HO_8Q<Kelex100の順に減少する。HMO_8Qの抽出定数が最も小さいのは2位のメチル基の立体障害によるものと推察される。0.3M SCN^-存在下、pH3でPd(MO_8Q)_2が100%逆抽出されるが、Pd(O_8Q)_2は19%程度しか逆抽出されない。パラジウム(II)はHMO_8Qにより、正及び逆抽出を組み合わせることにより他の金属イオンから選択的な分離が可能と期待される。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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