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1994 年度 実績報告書

電解セル付きエレクトロスプレー質量分析による多核金属錯体の迅速・高感度分析

研究課題

研究課題/領域番号 06640784
研究機関大阪大学

研究代表者

荒川 隆一  大阪大学, 工学部, 助教授 (00127177)

研究分担者 松尾 武清  大阪大学, 理学部, 教授 (50029691)
キーワードエレクトロスプレーイオン化法 / オンライン質量分析 / ルテニウム(II)錯体 / 光配位子置換反応
研究概要

溶液試料が流出している注射針に高電圧を印可すると,大気圧下で液体がその先端から噴霧・イオン化するエレクトロスプレー(ES)イオン化の方法がある.我々はこの方法を利用したES質量分析法による,迅速・高感度・簡便性を備えた分析技術を発展させるのが目的である.化学反応,電気化学反応及び光化学反応などの多目的に利用できる反応セルを試作し,それをESのインターフェースを通して質量分析計と結合した.それによって,各反応生成物のオンライン質量分析が測定できるようになった.
1.電気化学反応:溶液中で中性の分子はESスペクトルの測定ができない.そのために電気化学反応により事前に中性分子を電解酸化して分子イオンを作る.フェロセンのアセトニトリル溶液をモデルとして,電解酸化によるオンライン質量スペクトルを測定し,支持電解質などの電解条件を調べた.その結果,分子イオンを効率よく得るためには,1mM程度の支持電解質をどうしても必要とする.しかし,共存する支持電解質イオンは,目的の分子イオン信号の感度を大きく低下させることがわかった.この効果について,まだ詳しく解明されていない.
2.光化学反応:アセトニトリル溶媒中で,RuL^<2+>_3(L=2,2'-bipyrazine and 2,2'-bipyridine)錯体イオンの光配位子置換反応を行い,質量分析法によりはじめて溶媒が配位したRuL_2(CH_3CN)^<2+>_2の生成を検証した.今回の測定では,反応中間体,例えば,RuL_3(CH_3CN)^<2+>ような単座配位子を含む錯体イオンの生成をはっきりと示すことができなかった.単座配位した中間体の寿命は短いので,現在の光源より一層強い光源を用いて,スプレーが起こっている針先の液滴に直接光照射を行って中間体を捕捉・同定する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Arakawa et al.: "Anarysis of Multiply Charged lons of Ruthenium(II) Tetranuclear Complexes by Electrospray lonization Mass Spectrometry." lnong.Chem.(in press).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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