研究概要 |
本年度中に行った実験の結果は以下のとおりである。 アカパンカビのDNA修復欠損株のうち、相同組み換えに欠陥のある突然変異体のスクリーニングを行ってきた結果、非相同的組み換えにはそれほど影響を与えないが、相同的組み換えがほとんど見られない株を3株同定した。それらはmei-3,mus-20,mus-25変異をもつ株であった。これらの相同組み換えに欠陥のある株の変異原感受性を相補するDNA断片をアカパンカビのゲノムライブラリーから分離する方向で実験を行った。 1.mus-25遺伝子のクローニング; mus-25変異体はメチルメタンスルプォン酸(MMS)に高い感受性を示すので、これを指標にクローニングを試みたが成功しなかった。そこでmus-25遺伝子が第VII連鎖群のmet-7とwc-1の間にあることを利用し、この間のコスミドライブラリーをつかったクロモソームウオ-キングからmus-25遺伝子をクローニングすることを試みた。その結果、ひとつのコスミドがmus-25のMMS感受性を相補した。現在、このDNAをサブクローニングし、制限酵素地図の作成、RFLPマッピング、cDNAおよびゲノムDNAのシークエンスなどをおこなっている。 2.mei-3遺伝子のクローニング; mei-3遺伝子はアメリカのChengのグループによりクローニングされた。報告されたDNAシークエンスから予想される遺伝子はこれまでのものと異なっているため、われわれはこの遺伝子について再調査を行っている。 3.mus-20遺伝子似ついては現在実験を行っていない。
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