研究概要 |
平成6年度末に幸島で捕獲調査を行い85頭分の血液試料を収集し、それらについて平成7年度中は遺伝学的、形態学的、生態学的分析を続行してきた。遺伝子的分析については血液蛋白変異の方は40座位殆ど終了している。しかしこれでもって父子関係を決定出来たのはほんの2、3例でDNA(マイクロサテライト)の解析を持たないと統計的処理(Morton,Crow and Muller,の式に当てはめて固体の近交度とその退化現象を数値化する。)して定量化出来ないので目下生態学的分析結果の一部である観察されたコンソ-ト関係の記録を出来るだけ多数検索抽出し、父子の確率の高い組み合わせの量個体を重点的に解析を急いでいる。平成8年度中にはある程度の父子の組み合わせの試料が解析出来ると期待していたがこれまで使用したプライマーで検出出来るalleleの数が少なく父子判定出来た例が少なくて統計的な分析が出来る段階まで達していない。しかし近年のヒトのプライマーでヒヒやマカクでalleleを検出出来る例が多数報告され始めたのでそれらのプライマーを用いて検索を行い、平成9年度中には統計的分析に持ちこめると思う。
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