研究概要 |
クロロフィラーゼの膜局在性と酵素の発現は免疫抗体反応によって行う.そこで,材料としてシロザの抽出液を用いクロロフィラーゼの高度の精製を試みた.精製は種々の方法を検討した結果,ハイドロフォビッククロマトグラフィー後,ヘパリンによるアフィニティクロマトグラフィー、ス-パデックスを用いたゲル濾過によってある程度の回収率で精製されることがわかった.しかし、この程度の精製では純度の点で抗体作製には未だ不十分で,さらに電気泳動後のゲルの切り出しによる精製を考えている.また活性に対してタンパク量は少なく,抗体を作るための量を確保するのに時間が必要であろう. 高度に精製された標品での酵素反応の至適pHは7.1-8.6にあること,クロロフィルaおよびbに対するKmはそれぞれ5.0,2.3μMであることがわかった。また分子量は30-35kDaであることもわかっている。精製の過程でこの酵素がヘパリンに吸着されることからおそらく糖タンパクの可能性が高い.今後はさらに精製を進め,抗体の作製,局在性および発現の検討を行う予定である.
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