(1)野生型酵母のCH01遺伝子をDNA増幅装置(PCR)で増幅し(備品としてPCRを購入した)、CH01遺伝子の翻訳領域に野生型酵母H1S3遺伝子を挿入した遺伝子断片(CH01Δ::HIS3)を作成した。この遺伝子断片を用いて酵母YPH501を形質転換し、さらに、四分子分析法によりINY102B(MAT a ura3-52 lys2-801^<amber> ade2-101^<ochre> trp1-Δ63 his3-Δ200 leu2-Δ1 CH01Δ::H1S3)を選別した。 (2)CH01遺伝子をGAL7プロモータ下流に持つプラスミドYCpGPSS(TRP1)でINY102Bを形質転換し、ガラクトース存在下で生育できるトリプトファン非要求性株INY102B/YCpGPSSを作成した。 (3)野生型酵母のCCT遺伝子をPCRで増幅し、CCT遺伝子の翻訳領域に野生型酵母LEU2遺伝子を挿入した遺伝子断片(CCTΔ::LEU2)を作成した。この遺伝子断片を用いてINY102B/YCpGPSSを形質転換し、ロイシン非要求性株を選別した。このうち、グルコースとコリン存在下にでは生育できないが、ガラクトース存在下には生育できる形質転換体INY103(MAT a ura3-52 lys2-801^<amber> ade2-101^<ochre> trp1-Δ63 his3-Δ200 leu2-Δ1 CH01Δ::H1S3 CCTΔ::LEU2/YCpGPSS)を選別した。 (4)アブラナ(Brassica napus cv.Jet Nurf)の根よりpoly(A)^+RNAを単離し、酵母/大腸菌シャトルベクタプラスミドpFL61(URA3)中にcDNA発現ライブラリを構築した。このcDNAライブラリを用いてINY103を形質転換し、ウラシル非要求性でしかもグルコースとコリン存在下に生育できる形質転換体を14個得た。 (5)(4)の形質転換体からpFL61プラスミドを回収し、プラスミドにコードされる植物cDNAの塩基配列を、Sanger法で決定した。その結果、14個のクローンは酵母およびラットのCCTにホモロジーのある9個の独立のクローンに分類され、これらはさらに、4個のアイソザイムcDNAに分類されることがわかった。
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