研究概要 |
1.プローブとして使用するイネ葉緑体DNAのクローンを名古屋大学の杉浦昌弘教授より譲り受け、13本のプライマリ-フラグメントのすべてについて、数ミリグラムずつ大量調整・精製を終了した。 これは約40種の試料を調べるのに十分な量と判断される。 2.Watanabe et al.(1994)の報告を批判的に検討した結果、当初の計画である東アジア産タケ類に限定せず、新大陸も含めた世界の木本性および草本性タケ類の系統類縁関係を調べることが必要不可欠となった。そこで、可能なあらゆるつてにより、下記のような、ほぼ世界全域の代表的なタケ類(木本性タケ類22属、草本性タケ類7属)の生葉、もしくは、シリカゲルにより低温乾燥した葉の試料を収集した。現時点でDNAの精製を完了したのは、約3分の1である。また、外群として最も適切と判断される、イネ科の最も原始的な系統的位置にあるタケ類とツユクサ科の中間に位置するFlagellariaceaeトウツルモドキ科Flag ellaria属の試料も収集した。 収集した試料(属名を示す) 木本性タケ類-日本産:Sasa,Sasamorpha,Pseudosasa,Pleioblastus,Phyllostachys/アジア産:Indocalamus,Himalayacalamus.熱帯アジア産:Bambusa.Dendrocalamus,Gigantochloa,Schizostachyum,Cephalostachyum,Melocan na,Teinostachum,Thyrsostachys.ザンビア産:Oxytenanthera.メキシコ産:Otatea.ベネズエラ産:Arthrostylidium,Aulonemia,Chusquea,Rhipidocladum.コロンビア産:Guadua. 草本性タケ類-ブラジル産:Diandrolyra.コロンビア産:Cryptochloa,Olyra,Pariana,Pharus,Streptochaeta,Streptogyna. 3.DNA情報にもとづくパソコンによる系統解析の準備として、研究室の端末機Macintoshセントリス650と宇都宮大学情報処理センターのUnixとをEthernetでつなぎ、Telnetをインストールして、オンラインソフトウエアの使用が可能な状態に整備した。
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