研究概要 |
1.フィジ-産のホウオウゴケ属の標本約200点の研究をし,この地域から28種を確認した.これまでフィジ-の固有種とされていた5種は他の種の異名とすべきものであることが判った.また,この地域のホウオウゴケの種の多くは熱帯アジアにも分布することが判った.検索表,主要な種の解剖図の作成し,論文としてまとめつつある. 2.ホウオウゴケ属のSerridium亜属Amblyothellia節の分類学的検討を行い,タイプを新たに指定し,19種を本節に含めた.また2新組み合わせを行った. 3.広島大学の調査隊(責任者岩月善之助)の採集したヴァヌアツ(=ニューヘブリデス)のホウオウゴケ属の標本30点を研究し,この地域から15種を確認した.結果は論文にまとめ,Fragmenta Floristica et Geobotanica(Poland)に印刷中である. 4.日本産蘚苔植物の多様性について研究し,“生物の多様性と陸上生態系"に関するシンポヂウム(中国科学院植物研究所主催)において発表した.この論文において,日本のホウオウゴケフロラとアジア・オセアニア地域のホウオウゴケフロラの関連について発表した.結果はシンポヂウムのproceedingsに発表した. 5.世界のホウオウゴけのチェックリストをアメリカ、オランダの研究者と協力して作成中であるが,そのうちアジア・オセアニア地域のリストを分担し,ほぼ終了した.これらのデータはデータベースとして整理中である. 6.上記の研究を遂行するにあたり,内外の研究機関から多くの標本の借覧を行った. 7.長野県御岳においてホウオウゴケ属の種の調査を行い,資料を得た.また,広島大学において標本,資料の研究を行った.
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