研究概要 |
1.広島大学の調査隊(責任者岩月善之助)の採集したフィジ-産の蘚類のうち、ホウオウゴケ属(Fissidens)の標本約200点の分類学的研究を終わり、服部植物研究所報告第79号に発表した.この地域から28種のホウオウゴケの種を確認した. 2.広島大学の調査隊が採集したヴァヌアツのホウオウゴケ属の標本30点の研究結果をFragmenta Floristica et Geobotanica(Poland)第40巻に発表した. 3.中国産のセンボンゴケ科のうちの3亜科、Timmielloideae,Chionolomoideae 及びTrichostomoideaeの研究を終わり、その概要をヒコビア第12巻1号に発表した. 4.Luisierella barbula(クロコゴケ)が香港に生育することを発見し、ヒコビア第12巻1号に報告した. 5.東亜に広く分布するホウオウゴケ属のホウオウゴケ(Fissidens nobilis)と、近緑のヨーロッパ産の2種について比較研究を行ない、結果を近く発表の予定である. 6.ニューカレドニアなどオセアニア産のホウオウゴケの種と比較するため、オーストラリア産の標本約800点をキャンベラ植物園より借覧し研究した.その結果、南太平洋地域のホウオウゴケ属について、分類学的ならびに植物地理学的な多くの知識を得た。 7.広島大学に集積された蘚菌類の資料のうち、分類学的に重要な基準標本のリストを作成し、印刷公表した. 8.上記の研究を遂行するにあたり、沖縄でホウオウゴケの調査を行なった.
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