研究課題/領域番号 |
06640920
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
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研究分担者 |
泉水 奏 琉球大学, 医学部, 助手 (80216556)
瑞慶覧 朝盛 琉球大学, 医学部, 助手 (70136901)
平田 幸男 琉球大学, 医学部, 教授 (70073070)
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キーワード | 骨形態 / 近世人骨 / 沖縄 / 風葬墓 / 変異性 |
研究概要 |
今年度は土肥を中心に、これまでに集めた人骨の整理と計測、写真撮影などを行った。 地域性の研究のためのデータは、先島地方は宮古島と西表島、沖縄諸島は沖縄本島と久米島の風葬墓人骨について収集することができた。収集したデータはまとめて分析を行っているが、これまでの分析結果からは、沖縄諸島から先島諸島まで、軽質的にはそれ程大きな地域差が見られないという興味深い知見が得られている。先島と沖縄諸島が文化的に一つの共通の圏を形成するのは12〜13世紀以降になってからといわれているが、あるいは形質的にもこの時期に共通の特徴が形成されたのかも知れない。また、一般に、宮古島の人びとは顔立ちが特徴的で、彫りの深い顔をしているといわれているが、顔面平坦度を調べたところ、沖縄の中では確かに彫りが深いという傾向が認められた。しかし、日本の他の地域に比べると、沖縄の集団は最も平坦という意外な結果が得られている。 今年度、予想以上の収穫があったのは、沖縄本島与那城町仲原遺跡の縄文時代人骨を調査することができたことである。沖縄における先史時代人骨の出土例は非常に少ないため、各時代ごとに人骨資料を集めることは困難である。しかし、今回、調査できた仲原遺跡の人骨は保存状態も良く、貴重な追加資料として多くの情報を提供し得るものであった。これまでの調査から、沖縄の縄文時代人の特徴が南九州の縄文人や弥生人と共通することが分かってきた。
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