研究課題/領域番号 |
06650010
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
森本 章治 金沢大学, 工学部, 助教授 (60143880)
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研究分担者 |
久米田 稔 金沢大学, 工学部, 教授 (30019773)
清水 立生 金沢大学, 工学部, 教授 (30019715)
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キーワード | レーザアブレーション / 強誘電体不揮発メモリ / チタン酸ジルコン酸鉛(PZT) / マグネシア基板 / 窒化チタンアルミ(TiA1N)電極 / マグネシアバッファ層 / P-E履歴曲線 / C-V特性 |
研究概要 |
レーザアブレーション法を用いた本研究の目的は、不揮発メモリの疲労特性の機構解明とその改善である。不揮発メモリとしては金属/強誘電体/金属(MFM)型メモリと金属/強誘電体/絶縁体/半導体(MFIS)FET型メモリがあるが、本年度はこれらの基礎となる電極材料及び絶縁材料の基礎研究を行った。 MFM型メモリではこれまで、Pb(Zr_<1-r>Ti_x)O^3(PZT)用電極として提案してきたNi合金の代わりに、前年度新しい電極としてTi_<x-1>A1_xN(TAN)電極を提案し、当電極上でペロブスカイトPZTを形成し強誘電性を確認している。しかし、PZT薄膜の堆積によりTAN電極が一部酸化され、P-E履歴曲線が理想的なものにならず問題を残した。TAN電極の酸化は、薄膜作製時の酸素汚染による結晶性の劣化とそれに伴う粒界を通じた酸化にあるのではないかと考えられる。そこで、TAN電極の組成や作製条件を変えて、TAN電極の改善をMgO基板上で試みた。その結果、A1を添加しないTiNは最適化した基板温度で80μΩcmの電気抵抗率を示し、TiをA1で10%置換したTANの数百μΩcmの抵抗率よりかなり改善された。10%程度のA1の添加によって、TANの抵抗率は変化しないことが報告されており、おの実験結果は、TANの高い抵抗率はA1添加に伴う酸化の促進と結晶性の劣化によることを示唆する。現在、さらに耐酸化性の良好なTAN薄膜の作製を目指して実験中である。 一方、MFISFET型メモリでは、絶縁体層としてMgOバッファ層を用いてSi基板上でPZT薄膜の作製を試みた。その結果、5nm程度の薄いMgOバッファ層上で高配向したペロブスカイトPZTを得ることができた。また、P-E履歴曲線の測定で強誘電性を確認した。しかし、C-V特性では良好なメモリ特性が得られず、MgO/Si界面の劣化が示唆された。
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