研究課題/領域番号 |
06650013
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
野々村 修一 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80164721)
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研究分担者 |
伊藤 貴司 岐阜大学, 工学部, 助手 (00223157)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 輻射量子効率 / 光熱偏向分光法(PDS) / 水素化アモルファスシリコン / 光音響分光法 / 非輻射量子効率 / 発光準位 / 液体窒素温度光熱偏向分光法 / 光劣化 |
研究概要 |
本研究は光熱偏向分光法(PDS法)と光音響分光法(PAS法)を利用して薄膜材料の輻射量子効率と局在準位に関する評価手法を開発する事を目的としている。平成7年度は研究対象として水素化アモルファスシリコンとともに、フラーレン薄膜、アモルファス窒化ガリウム、アモルファスSiO_2薄膜を加えた。得られた結果を以下にまとめる。 (a)水素化アモルファスシリコン薄膜において輻射量子効率が30%程度と見積もられた。表面準位による輻射量子効率の低下が観測され、PDS法を用いて表面とバルクの局在準位の評価を行い、それぞ9.5×10^<12>cm^<-2>、1.8×10^<16>cm^<-2>の結果が得られた。 (b)本研究では広い測定エネルギー範囲に渡って吸収が非常に小さくフラーレン薄膜が解けない溶媒を見つけ、PDS法をこの材料に適用可能にした。この溶媒を用いてフラーレン薄膜が酸素のインターカレーションにより発光強度が減る現象を利用して輻射量子効率を測定する手法を開発した。その輻射量子効率は室温では5〜10%である事が分かった。 (c)PDS法を用いてTICSよ作製したアモルファスSiO_2薄膜の吸収スペクトルを測定しデバイスに応用可能な膜質である結果を得た。またアモルファス窒化ガリウムのギャップ内の吸収スペクトルの測定を行った。吸収の裾が大きくミッドギャップでの吸収係数が1cm^<-1>〜10cm^<-1>と比較的小さい事が分かり、光電気伝導が観測された。また窒化ガリウムをアモルファス化することにより室温でも大きな永続光電(Persistent photocurrent)が観測される事が分かった。 (d)PASを改良したRQEPAS法の測定系を完成させた。この手法は、PPES法でのパイロ素子の電極からの光反射と熱信号ではなく電極を透過した光が測定エラーを生じさせる欠点を改善できた。 (d)PDS法やPAS法は測定したい試料が液体や気体中に晒されており、測定が制限される事が多い。この欠点を克服するための新しい真空中測定手法であるPhototermal expansion induced bending spectroscopy(PEIB分光法)が有用な手法であることを見いだした。
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