研究概要 |
1.閉管式ヨウ素輸送法によるCuAl_xGa_<1-x>Se_2混晶のエピ成長:原料にはCuAl_yCa_<1-y>Se_2T多結晶(y=0.25,0.5,0.75)を、基板にはCuGaSe_2単結晶ウェーハ(112)Bを用いた。エピ成長は、(a)原料とヨウ素との平衡反応、(b)基板クリーニング、(c)成長の3過程で行い、ヨウ素量1mg/cm^3、成長時の原料温度660℃〜700℃、基板温度610℃で、8〜24時間成長した。EDXにより組成分析した結果、エピ層の混晶比xは原料の混晶比yとほぼ等しいことを確認した。X線回折空間マッピング(逆格子空間マッピング)により、基板とエピ層間の格子不整合度(Δd/d=[d(sub)-d(epi)]/d)とエピ層から回折X線の半値幅(FWHM)を調べた結果、xの増加とともにΔd/dも増大するが、これに対応してFWHMも増大し、結晶性が悪くなっていた。 2.閉管式ヨウ素輸送法によるCuAl_xGa_<1-x>S_2混晶のエピ成長:本年度は、CuAl_xGa_<1-x>S_2のエピ成長を行うための第一段階として、CuGaS_2のエピ成長をCuGaS_2及びCuGa_xIn_<1-x>S_2(1-x〜0.02)基板上に行った。まず、エピ成長条件の最適化を図るために、原料CuGaS_2とヨウ素との相平衡について調べ、熱力学的計算と比較した。原料温度800℃、基板温度700℃、N_2流量20cm^3/min(流速0.25cm/sec)でヨウ素濃度を変化させてエピ成長を行った。その結果、ヨウ素濃度が低い(<0.4mg/cm^3)場合、成長は部分的で、面内で一次元的な、表面モフォロジーが典型的であったが、濃度が高い(10mg/cm^3)場合、基板全体で二次元的に成長していた。表面モフォロジーの面方位依存性を調べた結果、(112)B面が最も平滑であった。 3.基板用CuGaS_2のTHM成長:CuIを溶媒に用いたTHM成長により、CuAl_xGa_<1-x>S_2混晶のエピ成長用基板として使用可能なCuGaS_2バルク単結晶の作製を行った。
|