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1995 年度 実績報告書

ダイヤモンド薄膜の低温合成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 06650028
研究機関東京電機大学

研究代表者

六倉 信喜  東京電機大学, 工学部, 助教授 (30166227)

キーワードダイヤモンド薄膜 / プラズマCVD / 高周波プラズマ / 硬質炭素膜
研究概要

Si基板上のFe薄膜を触媒として用いる場合,どのような過程を経てダイヤモンドが形成されるかをミクロなレベルで調べた.本研究で用いた方法では,Fe薄膜を用いないで合成を行なった場合には,硬質炭素膜が支配的に合成されるので,まず硬質炭素膜の形成過程を調べた.プラズマ中のCH_3ラジカルが基板上に物理吸着した時,同時にイオンシースで加速されたイオン種が基板表面に到達し,それらの表面での反応によって膜が形成されることが前年度の研究で仮定された.これを確認するために,さらにCH_4ガスに希ガス(Ar及びXe)を混入させてプラズマ中のイオン種およびCH_3ラジカルの濃度を変化させることで,成膜速度とイオン種およびCH_3ラジカルの濃度の積との関係を調べた.イオン種濃度は実際に質量分析法によって測定し,CH_3ラジカル濃度はすでに報告されているデータを利用した.その結果,両者は定性的に良い一致を示すことが解り,物理吸着したCH_3ラジカルと炭素水素イオンとの反応により炭素膜が生成する事が確認された.次に,400℃にてFe/Si基板上に形成された膜の深さ方向の構造を調べたところ,ごく表面にはFexCy膜が存在しており,プラズマ中のCO_3ラジカルおよび炭化水素イオンによって基板表面に運ばれた炭素原子がイオンのエネルギーによってFe薄膜を通過してSi基板上で融合して膜が形成されることが解った.基板上の薄膜の大部分は硬質炭素膜であるが,通常の硬質膜と比べて10倍程度の耐エッチング特性(CF_4プラズマにて)を示した.また,炭素膜とSi基板との界面には極めて耐エッチング特性の高いダイヤモンド薄膜(連続膜)が堆積していることが解った.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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