研究課題/領域番号 |
06650049
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
水本 哲弥 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00174045)
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研究分担者 |
横井 秀樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (90251636)
安斎 弘樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (80212661)
内藤 善之 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016335)
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キーワード | 三次非線形光学効果 / 半導体微粒子 / 半導体ドープガラス / 共鳴波長 / 光スイッチング / 光電子相互作用 / 光共振器 |
研究概要 |
本研究の目的は、半導体Cds_xSe_<1-x>微結晶における光と電子の相互作用による三次光学非線形効果の増大機構を解明することと、これを利用した光機能素子を製作してその有用性を実証することである。 本研究は、共鳴波長に近い励起光源で発生した非線形効果を共鳴領域から離れた波長の信号光で利用することで、光吸収の小さい波長域で大きな非線形効果を得、素子設計に大きな自由度を与えることに特長がある。この効果を利用するためには、励起光とは異なる波長で生ずる三次非線形光学効果を明確にする必要がある。この目的に沿って行った今年度の研究内容と得られ成果を次にまとめる。 1.半導体微粒子の三次光学非線形効果を記述する理論モデルの確立 CdS_xSe_<1-x>半導体微結晶がガラス母材中に分散した材料(半導体ドープガラス)について、励起子モデルに基づいて三次光学非線形係数を計算するモデルを構築した。2励起子励起状態までを考慮し、微粒子の粒径分布、共鳴波長の異なる半導体組成が分布して分散している状態についても考慮し、正確な記述を行った。 2.三次線形係数の測定系の整備 励起光波長とは異なる波長の光電磁場が受ける三次光学非線形係数を測定するために、半導体ドープガラスで形成した光共振器を試料とする測定系を整備した。 3.光制御形光スイッチング素子の設計と製作プロセスの確立 信号光と同じ波長で制御するよりも小さな光電力でスイッチングすることが可能であることを実証するために、1.のモデルに基づいて素子の設計を行った。また、これを試作するための製作プロセスをほぼ確立した。
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