1.平面型光強度変調器の開発 1)電子空乏化による光変調の理論解析:電子空乏化による光吸収増加のメカニズムとしては電子数変化、スクリーニング効果、電界効果の3つの現象が関与しており、不純物濃度が低い時は主に電界効果、濃度が高くなると電子数変化やスクリーニング効果の影響で光吸収が増加することが確認できた。また、平面型素子の最適設計としては空乏領域の濃度を低くすることが望ましいが、現実の空乏層では不純物の混入が避けられないため、3つの効果を考慮した解析で素子設計を行う必要がある。 2)平面型光強度変調器の試作:ph^-n:GaAs基本構造を19個積層したEDAC変調素子を同一基板上に縦6×横6個、2次元配列してアレー状光変調器を試作した。これまでのアレー変調器作製工程では各素子間の電気的絶縁性が悪いことや各素子への電気配線が行いにくいという問題点があった。本年度は、素子間の電気的絶縁性を高くすることを目標とし、機械的に溝を掘り素子間を電気的に分離するプロセス法を開発した。各素子間抵抗は数十KΩまで高くできたが、大規模集積化に向け更なる高抵抗化と電気配線形成技術が来期の課題となる。なお、素子の消光特性としては5Vの電圧変化で60%程度の消光が確認できた。 2.導波路型光位相変調器の開発 1)電子空乏化による屈折率変化の理論解析:屈折率変化に関与する電界効果の影響について電子緩和効果を含めた手法を用いて現在解析を進行中である。 2)導波路型光位相変調器の試作:本年度は素子試作を行わなかった。
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